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外来受診について

乳腺外科

1.はじめに
日本人における死亡原因の第一位は癌(がん)です。乳がんは女性のがんで最も多く、女性のがんの5人に1人が乳がんです。また、生涯のうちに女性の12人に1人が乳がんに罹患し、この30-40年で5倍の患者数になりました。年齢では、40台後半、50台にピークがありますが、近年比較的高齢の方も多くなっており、70歳以上の患者さんも全体の4分の1を占めるようです。

対策としては、乳がん患者の著しい増加の要因として生活環境の変化がその大きな要因の1つですが、これを変える(戦前の生活にもどる)ことはおそらく不可能ですので、やはり早期発見および科学的根拠に基づいた治療を受けることです。

〈1〉乳がんの治療について
乳がんはよく、全身病(診断時すでにがんが全身にまわっている、画像ではとらえられない微小転移が存在する)といわれていました。しかし、現在では(スペクトラム理論といいますが)、初期の段階では全身病ではなく、ある時点から全身病になるといわれています。つまり局所にがんがとどまっているような局所病的性格の強いがんもありますので、まずは多くの場合、手術によって治癒を目指すことになります。局所に癌がとどまっている症例は、外科手術だけで治癒します。

A.手術(局所)療法
人工乳房による再建を行わない場合、手術治療は、まず大きく分けて乳房切除術(全摘術)と乳房部分切除術(温存術)とに分けられます。とくに温存術は根治性(がんを取りきれるかどうか)と整容性(見た目、乳房のサイズと切除量で決まります)のバランスを考慮して選択されます。以下に、乳房全切除術(全摘術)と、乳房部分切除術(温存術)の成績をお示しします。(図1)



この図に示されるように、全摘術でも温存術でも、術後の経過(生存期間)は同じです。先ほども述べましたが、すべての乳癌が初期段階から全身病ではないので、不用意な縮小(温存)手術で微小ながんが残ると、これが再発・生存に影響する可能性があります。

B. 薬物(全身)療法
全身病的性格の強い病変に対しておこなわれますが、全身病とはいえ、必ずしも転移が成立するとは限りません。うまく治療すれば転移は成立しませんので、極めて重要な治療といえます。

薬物療法ですが、たとえばそれぞれの子供にひとつひとつの関わり方があるように、乳がんにもいろんなタイプの乳がんがありますので、治療はその人が持っているがん(腫瘍)の特徴や性格に合わせて選択します。まず大きく2つに分けて、(1)ホルモン治療が有効な腫瘍(①) と、ホルモン治療が有効でない腫瘍、に分けます。後者はさらに、抗がん剤治療のみが有効な腫瘍(②)、と抗がん剤治療+分子標的治療が有効な腫瘍(③)に分けます。つまり標準治療は、

① ホルモン治療(全体の7割)
② 抗がん剤治療(全体の2割)
③ 抗がん剤治療+分子標的治療(全体の1割)
となります。

〈2〉乳がんの治療成績
私(山口)は、この(2019年)4月に福岡青洲会病院に赴任してまいりましたので、前任地(佐賀)での手術経験症例と成績をお示しします。乳腺の良性疾患もその一部は手術の対象となりますが、期間中の乳がんの手術症例は全部で1200例です(1999-2018<平成11-30>)。そのうちの2012(平成24)年までの症例につき手術経過(成績)をお示しします。

乳がんの経過(予後)を左右する最も重要な因子は、腫瘍(がん)の大きさ(サイズ)とリンパ節転移の有無です。これらの因子は時間の経過を表します。つまり、腫瘍のサイズが大きいほど、また、リンパ節転移を有する人は、乳がんができて発見されるまでに時間が経過した、ということになります。ちなみに発見(診断)時の腫瘍のサイズは平均して画像上約2cm(顕微鏡でのサイズでは1.5cm)で、診断時にリンパ節転移を有する人は10人中3~4人です。

(1)腫瘍のサイズ別生存曲線(浸潤がん)(図2)



腫瘍のサイズが小さいほど経過(予後)は良好で、大きいほど不良です。

(2)リンパ節転移の有無による生存曲線(図3、図4)





リンパ節転移のないがんは 転移のあるがんと比較し、明らかに予後良好です。

(3)ステージ別(腫瘍のサイズとリンパ節への転移状況、を組み合わせた)生存曲線(図5)



患者さんを中心とした、医師、看護師、薬剤師、放射線技師、検査技師、理学療法士、栄養士によるチーム医療を行ないますが、ブレストチームが一丸となって、質の高い医療、そして患者さんに寄り添いさらには患者さんと家族を支える医療、をめざしたいと思います。またその成果をさまざまな機会で発信し、多くの方に信頼できる医療をめざします。

乳腺外科部長・センター長 山口淳三
医長 櫨山尚憲

3. 「乳腺領域に関する業績」について(2019/5/1現在)

A. 学会発表
・第 26回日本乳癌学会総会(京都) 2018.5 マンモグラフィー所見と脂肪浸潤の有無―乳がんサブタイプとの関係― 山口淳三、森内博紀
・第 26回日本乳癌学会総会(京都) 2018.5 Paclitaxel/Bevacizumab療法有効例への内分泌治療による病勢コントロール効果 森内博紀、山口淳三

B. 乳腺領域に関する論文
・Moriuchi H, Yamaguchi J, Hayashi H,et al, Cancer Cell Interaction with Adipose Tissue: Correlation with the Finding of Spiculation at Mammography. Radiology: 279, 56-64, 2016

・Hayashi H, Obtain H, Yamaguchi J. Shimokawa I. A case of intracystic apocrine papillary tumor: Diagnostic pitfalls for malignancy. Pathol Res Pract: 209, 808-11, 2013

・Kuba S, Ohtani H, Yamaguchi J,et al, Incomplete inside-out growth pattern in invasive breast carcinoma : association with lymph vessel invasion and recurrence-free survival. Virchows Arch 458: 159-169, 2011

・Yamaguchi J, Ohtani H, Nakamura K,et al, Prognostic Impact of Marginal Adipose Tissue Invasion in Ductal Carcinoma of the Breast. Am J Clin Pathol. 130: 382-388, 2008

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